東北大学多元物質科学研究所 量子ビーム計測研究分野
X線Talbot-Lau型干渉計はX線Talbot干渉計の発展型で、構成はX線Talbot干渉計とほぼ同じですが、光源として微小光源のアレイを使用することで、撮像時間を劇的に短くしたものです。X線Talbot干渉計の場合と同様に一つの微小光源からは自己像が形成されますが、第二の光源をちょうど自己像が重なるように配置することで、強度を二倍稼ぐことができます(下図)。同様にしてN個の光源を並べれば、強度がN倍になり、撮像時間を原理的に1/Nにすることができます。実際には通常フォーカスの光源の前に吸収型の回折格子を配置することにより微小光源アレイを実現します。これにより通常フォーカスの実験室X線源による位相イメージングが可能となりました。我々はコニカミノルタエムジー(株)、埼玉医科大学、名古屋医療センター、兵庫県立大学高度産業技術研究所(服部研究室)と共同で、X線Talbot-Lau型干渉計の医療診断装置への実用化を目指しています。本研究の成果は、下記に掲載されております。
■JST-News 2010-3月号
■『ようこそ、私の研究室へ 世界に誇る日本のサイエンスラボ21』(黒田達明[著]、DISCOVERサイエンス)
■記者会見(@文部科学省)資料(2011.2.16)
■Science News(2011.3.9)
(科学技術振興機構(JST) 先端計測分析技術・機器開発事業「高アスペクト比X線格子を用いた位相型高感度X線医用診断機器の開発」(平成19年12月〜))。
図 Talbot-Lau型干渉計の原理